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店舗受取・店舗発送(BOPIS)の実装|在庫引き当てと店舗オペレーション

2026.06.05

「ECで注文して店舗で受け取りたい」——そんな顧客のニーズに応えるのがBOPIS(店舗受取)です。送料や待ち時間を抑えつつ、店舗在庫を活かせる施策として広がっていますが、在庫の引き当てと店舗運用の設計を誤ると、欠品や受取トラブルでうまく機能しません。

結論から言えば、BOPISを成立させる鍵は、店舗在庫をリアルタイムで可視化・引き当てできる仕組みと、受取準備の店舗オペレーション設計です。本記事では、BOPISの体験フロー、必要な仕組み、メリット、運用設計と効果測定、注意点までを、店舗のDXを検討する立場でそのまま使える形で整理します。なお、BOPISはオムニチャネル施策の一つです。全体像はオムニチャネル/OMO実現ガイドで解説しています。

BOPIS(店舗受取・店舗発送)とは?#

BOPISとは「Buy Online, Pick-up In Store」の略で、オンラインで注文した商品を店舗で受け取る仕組みのことです。クリック&コレクトとも呼ばれます。あわせて、店舗在庫を使ってECの注文を店舗から発送する「店舗発送(シップフロムストア)」も、店舗在庫を活かすオムニチャネル施策として広く使われます。いずれも、店舗とECの在庫がつながっていることが前提になります。

なぜいまBOPISなのか?#

ECと店舗を組み合わせて買う行動が広がっているからです。経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年8月公表)によると、2024年の物販系BtoC-EC市場は15兆2,194億円、EC化率は9.78%と拡大が続いています。ECが伸びる一方で、送料や受取の手間を避けたい、すぐ手に入れたいというニーズもあり、店舗在庫を活かして「オンライン注文・店舗受取」を実現するBOPISが、店舗への送客と在庫活用を両立する施策として注目されています。

BOPISの体験フローは?#

お客様の体験は、次の流れになります。下図のイメージです。

BOPIS(店舗受取)の体験フロー(ECで注文→店舗在庫を引き当て→店舗で準備→店頭で受取)
BOPIS(店舗受取)の体験フロー(ECで注文→店舗在庫を引き当て→店舗で準備→店頭で受取)

ECで注文すると、対象店舗の在庫が引き当てられ、店舗で商品が準備され、お客様が店頭で受け取ります。重要なのは、注文時点で「その店舗に在庫があるか」をリアルタイムで判定できることです。在庫が見えないまま注文を受けると、店頭で「在庫がない」という事態になりかねません。

BOPISに必要な仕組みは?#

BOPISを機能させるには、次の仕組みが必要です。下図のイメージです。

BOPISに必要な仕組み(在庫引き当て・店舗在庫の可視化・店舗オペレーション・通知や連絡)
BOPISに必要な仕組み(在庫引き当て・店舗在庫の可視化・店舗オペレーション・通知や連絡)
  • 在庫引き当て:注文時に店舗在庫を確保し、二重販売を防ぐ。
  • 店舗在庫の可視化:店舗ごとの在庫をリアルタイムで把握する。
  • 店舗オペレーション:受取準備・取り置き・お渡しの運用を設計する。
  • 通知・連絡:準備完了をお客様に案内する。

特に「店舗在庫の可視化と引き当て」は、在庫一元管理(OMS)が前提になるため、まず在庫連携を整えることが出発点になります。在庫一元管理の仕組みは店舗在庫とECの在庫一元管理で解説しています。

BOPISのメリットは?#

BOPISには、顧客と店舗の双方にメリットがあります。下図のイメージです。

BOPISのメリット(送料や待ち時間の削減・ついで買い・在庫の有効活用・機会損失の削減)
BOPISのメリット(送料や待ち時間の削減・ついで買い・在庫の有効活用・機会損失の削減)
  • 送料・待ち時間の削減:顧客は送料を抑え、好きなタイミングで受け取れる。
  • ついで買い:来店時に追加購入が生まれやすい。
  • 在庫の有効活用:店舗在庫をECの販売に回せる。
  • 機会損失の削減:EC在庫が切れていても、店舗在庫で対応できる。

店舗への送客と在庫の有効活用を同時に実現できる点が、BOPISの大きな価値です。

BOPISの運用設計(店舗オペレーション)は?#

BOPISは仕組みだけでなく、店舗の運用設計で成否が分かれます。具体的には、次を設計します。

  • 受取場所の確保:専用カウンターや取り置き棚など、どこで渡すかを決める。
  • ピッキング・取り置きの手順:誰がいつ商品を用意し、どこに保管するかを決める。
  • 本人確認とお渡し:注文番号や会員証での確認方法を決める。
  • ピーク時間帯への対応:来店が集中する時間帯の人員・段取りを考える。

EC側の注文が、そのまま店舗スタッフの作業になります。現場の負担を見越したオペレーションにしないと、準備の遅れや受取待ちが発生します。まず対象店舗・対象商品を絞って小さく始め、運用を見ながら広げるのが現実的です。

店舗オペレーション設計チェック(そのまま使える)#

導入前に、現場が回るかを次の項目で確認します。

  • 受取場所(カウンター・取り置き棚)を決めたか
  • ピッキング・取り置きの担当と手順を決めたか
  • 本人確認の方法(注文番号・会員証)を決めたか
  • 受取期限・未受取・キャンセル時のルールを決めたか
  • 準備完了・受取期限の通知を確実に届ける仕組みがあるか
  • ピーク時間帯の人員・段取りを見込んだか

効果をどう測る?(KPI)#

導入後は、効果を数値で見ながら改善します。「店舗受取を入れて終わり」にせず、下表のような指標を見て、受取場所の案内・通知のタイミング・対象店舗や商品の範囲を調整していきます。

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KPI見るポイント
BOPIS利用率EC注文に占める店舗受取の割合
受取リードタイム注文から受取可能までの時間
ついで買い率来店受取時の追加購入の割合
未受取・キャンセル率受取期限切れ・取消の割合
店舗在庫の回転店舗在庫がEC販売に活かせたか

導入の注意点・落とし穴は?#

  • 在庫精度が低いと成立しない:店舗在庫がずれると、受取トラブルや欠品の原因に。まず在庫の一元化・精度向上から。
  • 店舗オペの負担:受取準備の運用を設計しないと、現場が混乱する。
  • 受取期限・キャンセルのルール:取り置き期間や未受取時の扱いを決めておく。
  • 通知の設計:準備完了や受取期限の連絡を、確実に届ける仕組みが必要。通知・会員証にLINEを活用する方法はLINEミニアプリとはもご覧ください。

BOPISを成立させる道筋(解決)#

「店舗受取を始めたいが、うまく回るか不安」という状態は、次の順で解消できます。

  1. 1在庫の一元化・精度向上:店舗在庫をリアルタイムで可視化できるようにする。
  2. 2引き当てロジックを設計:注文時に店舗在庫を確保する仕組みを作る。
  3. 3店舗オペレーションを設計:受取準備・お渡し・取り置きの運用を整える。
  4. 4通知・ルールを整備:準備完了・受取期限の案内とルールを決める。

この進め方なら、欠品や受取トラブルを避けつつ、店舗送客と在庫活用を両立できます。期待できるのは、送料負担の軽減による購入率向上、来店によるついで買い、そして店舗在庫の有効活用です。さらに、受取時の会員認識を活かした接客・販促まで見据えるなら、会員証をデジタル化するデジタル会員証の作り方や、店舗とECの会員・ポイント・顧客データ統合もあわせてご覧ください。

弊社(株式会社TryWith)の支援について#

弊社では、小売・店舗・飲食向けのシステム開発として、BOPIS(店舗受取・店舗発送)の実装を支援しています。在庫の一元管理(OMS・API連携)を土台に、引き当てロジック、店舗在庫の可視化、店舗オペレーションに合わせた仕組みづくりまで、既存システムを踏まえて設計します。開発を担う立場から「まず何を整えるべきか」を一緒に整理し、スポットCTO的な関与で要件定義から運用まで伴走します。

「店舗受取を始めたい」「まず在庫連携から整えたい」といった検討段階からのご相談に対応します。

よくある質問(FAQ)#

Q. BOPISとは何ですか?

A. オンラインで注文した商品を店舗で受け取る仕組み(Buy Online, Pick-up In Store)です。クリック&コレクトとも呼ばれます。

Q. 店舗発送(シップフロムストア)との違いは?

A. BOPISは顧客が店舗で受け取る形、店舗発送は店舗在庫からECの注文を発送する形です。どちらも店舗在庫を活かすオムニチャネル施策です。

Q. BOPISに必要な仕組みは?

A. 店舗在庫の可視化とリアルタイム引き当て、受取準備の店舗オペレーション、通知の仕組みです。在庫一元管理が前提になります。

Q. 店舗の運用で気をつけることは?

A. 受取場所の確保、ピッキング・取り置きの手順、本人確認、ピーク時間帯の人員です。EC注文が店舗作業になるため、現場の負担を見越して設計します。

Q. 何から始めればいいですか?

A. まず店舗在庫の一元化・精度向上から始めます。在庫がリアルタイムで見える状態が、BOPISの土台になります。

まとめ#

BOPIS(店舗受取・店舗発送)は、送料や待ち時間を抑え、店舗在庫を活かせるオムニチャネル施策です。成立の鍵は、店舗在庫のリアルタイムな可視化・引き当てと、店舗オペレーションの設計にあります。まず在庫の一元化から整え、引き当て・運用・通知を設計し、利用率やついで買い率などの指標で改善すれば、現場で回るBOPISを実現できます。オムニチャネル全体の進め方はオムニチャネル/OMO実現ガイドもあわせてご覧ください。

(出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」2025年8月公表)

店舗受取・店舗発送の導入でお困りの場合は、現状の課題整理からご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

タグ

#BOPIS#店舗受取#店舗発送#オムニチャネル#在庫連携#小売DX