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システム開発は内製と外注どっちがいい?判断基準とメリット・デメリット

2026.06.12

「システム開発を内製すべきか、外注すべきか」——IT人材の採用が難しいなか、多くの企業が迷うテーマです。結論から言うと、事業の核となり頻繁に改修するシステムは内製寄り、専門性やスピードが必要で一時的な開発は外注寄りが基本です。ただし現実には、どちらか一方ではなく組み合わせるのが定石で、「外注で作って内製で運用する」「内製しつつ専門領域は外注する」といった形が増えています。本記事では、メリット・デメリットの比較、判断のフレーム、コストの考え方、具体例までを整理します。なお、外注を選ぶ場合の進め方はシステム開発の発注完全ガイドで解説しています。

内製と外注とは?#

内製は、自社のエンジニアがシステムを開発・運用すること。外注(受託開発)は、開発会社に依頼して作ってもらうことです。前提として、「内製したくてもできない」事情があります。経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表)では、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されており、エンジニアの採用は年々難しくなっています。「内製が理想だが人がいない」という制約のなかで、現実的な組み合わせを考えることが出発点になります。

メリット・デメリットを比較#

両者を主要な観点で比較すると、次のようになります。

内製と外注(受託)(内製=ノウハウが社内に蓄積/人材確保・属人化が課題、外注=専門力をすぐ活用/発注側の関与が前提)
内製と外注(受託)(内製=ノウハウが社内に蓄積/人材確保・属人化が課題、外注=専門力をすぐ活用/発注側の関与が前提)
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観点内製外注(受託)
スピード体制が整えば速いが、立ち上げに時間すぐに着手できることが多い
ノウハウ社内に蓄積される社外に残りやすい
専門性自社のスキルに依存専門人材をすぐ活用できる
改修の柔軟性高い(すぐ直せる)依頼ベースで時間・費用がかかる
コスト人件費(継続)委託費(プロジェクト単位)
主なリスク採用難・属人化丸投げによるブラックボックス化

内製は「自社の資産として育てる」、外注は「専門性とスピードを買う」アプローチと整理できます。

どう判断する?(5つの判断軸)#

迷ったら、次の5つの軸で判断すると整理しやすくなります。

内製・外注の判断軸(戦略性・コア度/改修頻度/人材/スピード/コスト)
内製・外注の判断軸(戦略性・コア度/改修頻度/人材/スピード/コスト)
  • 戦略性・コア度:事業の核となるシステムか。核なら内製寄り(競争力の源泉を外に出さない)。
  • 改修頻度:頻繁に変えるか。月次以上で改修するなら内製が有利になりやすい。
  • 人材:エンジニアを採用・維持できるか。できないなら外注、または外注+内製化支援。
  • スピード:すぐに必要か。短期で立ち上げたいなら外注が速いことが多い。
  • コスト:短期で見るか長期で見るか(次節)。

すべてを内製にする必要はありません。「コアで・頻繁に変えるもの」を内製の候補に、「専門的・一時的なもの」を外注の候補に振り分けるのが基本です。

内製・外注の振り分けチェック表(そのまま使える)#

各項目で自社がどちら寄りかを確認すると、振り分けが見えてきます。多くの項目で同じ側に寄るほど、その選択が向いています。

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項目内製寄り外注寄り
戦略性・コア度事業の核となる補助的・周辺
改修頻度高い(月次以上)低い・一時的
人材採用・維持できる確保が難しい
スピード体制を育てる余裕があるすぐに必要
コスト視点長期で継続的に改修短期・単発

コストはどう違う?(短期と長期)#

コストは「短期」と「長期」で逆転することがあります。外注は委託費(プロジェクト単位の費用)が中心で、初期に集中します。内製は人件費が中心で、採用・育成の初期投資に加え、継続的に発生します。つまり、短期・一時的な開発は外注が安く、長期で継続的に改修するシステムは内製が有利になりうる、という構造です。

判断の際は、初期費用だけでなく、運用・保守を含めた総コスト(TCO)で比べます。外注でも運用・保守は継続的に発生し、一般的な目安として保守費は年間で初期開発費の15〜20%程度がよく挙げられます。「作る費用」だけでなく「使い続ける費用」まで見て判断しましょう。費用の詳しい見方はシステム開発費用の相場で解説しています。

たとえば、基幹システムをどうするか(具体例)#

たとえば、事業の核となる基幹システムを刷新したいが、社内に十分なエンジニアがいない、というケースを考えます。基幹システムは戦略性が高く改修も続くため、本来は内製寄りですが、人材がいないため即・内製は現実的ではありません。この場合、外注で開発しつつ、運用・改修を社内に引き継げるよう内製化を見据えた体制で進める、という折衷が有効です。外部の技術責任者(スポットCTO)に伴走してもらいながら、徐々に社内へノウハウを移すこともできます。

内製・外注それぞれの落とし穴#

内製の落とし穴は、属人化(担当者しか分からない状態)、採用難、他業務との兼務で開発が進まないことです。外注の落とし穴は、丸投げによるブラックボックス化と、認識のずれです。どちらを選んでも、発注側・社内側が主体的に関わることが成功の条件で、丸投げと放任は避けます。

折衷案:外注しながら内製化を進める#

「外注で作りつつ、運用は内製化していく」「技術顧問に伴走してもらいながら社内体制をつくる」といった折衷案もあります。社内にCTOがいない場合に外部の技術責任者を活用するスポットCTOのような選択肢も、内製化の橋渡しになります。外注先をうまく管理する観点は開発の外注先をうまく管理できない(ベンダーコントロール)もあわせてご覧ください。

弊社(株式会社TryWith)の支援について#

弊社では、システムの受託開発に加えて、お客様の内製化を見据えた開発支援・体制づくりにも対応しています。「外注しつつ、ゆくゆくは社内で運用したい」「どこを内製し、どこを外注すべきか整理したい」といったご相談も歓迎です。社内に技術が分かる人がいない場合も、スポットCTO的な関与で、内製・外注の振り分けや見積もりの妥当性を発注側の視点で補えます。

よくある質問(FAQ)#

Q. 内製と外注はどちらが安いですか?

A. 期間で変わります。短期・一時的な開発は外注が、長期で継続的に改修するなら内製が有利になることがあります。初期費用だけでなく、運用・保守を含めた総コスト(TCO)で比べます。

Q. 内製化のデメリットは何ですか?

A. 人材の確保・育成の難しさと、属人化です。担当者が辞めると運用が止まるリスクがあるため、ドキュメント化や体制づくりが欠かせません。

Q. 外注で失敗しないコツは?

A. 丸投げにせず、要件定義や検収に発注側が関与することです。ブラックボックス化を防ぎ、認識のずれを減らせます。

Q. 内製と外注は併用できますか?

A. できます。コアで頻繁に改修する部分は内製、専門領域や一時的な開発は外注、というように組み合わせる企業は多くあります。

Q. 内製化したいが人材がいない場合は?

A. 外注で開発しつつ、外部の技術責任者の伴走で社内にノウハウを移す、という進め方があります。徐々に内製比率を高められます。

まとめ#

内製はノウハウ蓄積と柔軟な改修に強く、外注は専門性とスピードに強みがあります。戦略性・改修頻度・人材・スピード・コストの5軸で判断し、コストは短期だけでなく運用を含めたTCOで比べましょう。本記事の振り分けチェック表を、そのままお使いください。多くの場合、「コアで頻繁に変えるものは内製、専門的・一時的なものは外注」と振り分け、必要に応じて組み合わせるのが現実的です。外注を選ぶ場合の進め方はシステム開発の発注完全ガイド、会社選びは失敗しないシステム開発会社の選び方、内製化の橋渡しはスポットCTOとはで解説しています。

(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年公表)

内製・外注の判断でお悩みの場合は、現状の課題整理からお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

タグ

#内製#外注#システム開発#受託開発#内製化#判断基準